仏教の年間行事大紹介!お盆やお彼岸以外にたくさんあります

仏教の年間行事

仏教の年間行事大紹介!お盆やお彼岸以外にたくさんあります

1.修正会(しゅうしょうえ)と涅槃会(ねはんえ)

修正会は1月1日~7日頃まで行なわれるお正月の法要です。新しい年が始まるとき、天下泰平、人々の幸福、前年の罪過を悔い改めて、新年の門出がよくなるよう祈ります。
中国に起源があると言われ、年始の儀式として行なわれました。日本における修正会は、平安時代以降で広く行なわれるようになったと考えられています。
涅槃会(ねはんえ)は2月15日に行なわれる行事です。仏陀が入滅した日を2月15日とし、法要を行います。涅槃とは、悟りの境地である苦しみが消えた状態のことです。
仏陀は入滅したことで、身体による苦しみから脱したと考えます。その状態は完全な涅槃です。この法要では、涅槃図が広げられ、かつての仏陀を偲びます。
ただ、寺院によっては新暦の3月15日に行う場合もあるようです。外国でも行なわれていますが、日にちがずれることもあります。

2.3月彼岸会(ひがんえ)4月灌仏会(かんぶつえ)

彼岸会は、いわゆるお彼岸のことです。彼岸はこの世界とは異なる仏の世界の岸を意味します。現実世界の悩みや煩悩を乗り越え、悟りの境地に至るというものです。三途の川の向こう側を、彼岸と考えてもよいでしょう。
なぜ3月になったのかは、理由があります。お彼岸は3月の春分と9月の秋分の中日に行なわれますが、この時期、太陽は真東からのぼり、真西に沈むのです。
太陽が沈む真西を極楽浄土と考え、この日に彼岸とともに亡くなった日を偲んで供養しようというのがお彼岸なのです。
一般的に彼岸の期間は、多くの家庭で墓参りを行うのが習慣となっています。
灌仏会は仏陀の誕生を祝う行事です。一般的に花祭りといわれ、4月8日に行なわれます。経典の中にある、仏陀誕生のエピソードが由来です。
仏陀が誕生したとき、甘露の雨が降ったという伝説があります。ルンピニーの花園で生まれたからという伝説もあるようです。
このようなエピソードに基づき、花で飾られた花御堂に誕生仏を安置し、上から甘茶を注ぐ行事を行います。

4.7月は盂蘭盆会(うらぼんえ)12月成道会(じょうどうえ)

盂蘭盆会とは、いわゆるお盆のことです。7月13~15日(16日)あるいは8月13日~15日(16日)に行います。由来は盂蘭盆経の、仏陀の弟子、木蓮のエピソードです。
木蓮は神通力で自分の母親が餓鬼道に堕ちたことを知りました。木蓮は助けようと思うのですが、方法が分かりません。そのとき仏陀が「7月15日に僧侶が修行を終える。そのとき食べ物や飲み物を施せば功徳となるから母親を救えるだろう」と答えました。
このエピソードに基づき、お盆は先祖を供養する日として浸透したのです。また、地域によっては8月の場合もあります。
成道会は、仏陀が悟りを開いた日を記念する行事で12月8日に行なわれます。釈尊最大法要のひとつとされ、仏陀の苦行や、仏教を開いたこと、念仏の教えなどに対し感謝する意味が込められているのです。
成道会で行なわれることは、宗派で異なります。たとえば、禅宗の臨済宗、曹洞宗では特別な座禅修行が行なわれています。

5.除夜(じょや)や施餓鬼会など

除夜は12月31日の大晦日に行なわれ、夜を除くともいわれる行事です。旧年を押しのけ、新年を迎える夜という意味があります。また、夜を除くという解釈をすることで、大晦日は眠らない、元旦の朝まで起きるという風習が生まれたともいわれています。
除夜で知られているのは、108回、除夜の鐘をつくことでしょう。広く知られているのは、この108という数字は108の煩悩を払うためともいわれています。
除夜の鐘が鳴り出したら「あぁ今年も終わるなぁ」とその年に想いを馳せる方も多いのではないでしょうか。

まとめ

他にも仏教行事はたくさん行なわれています。たとえば、施餓鬼会などは、お盆の時期に行なわれる行事です。餓鬼道に堕ちた人々に飲食を施し、功徳によって現世にいる自分たちの極楽往生を願うという意味が込められています。
ただ、宗派によっては行なわれていません。たとえば、浄土真宗では施餓鬼会を行っていないのです。
他にも、一年間の罪に対して懺悔する仏名会や、開祖にちなんだ法要など宗派毎の行事も行なわれています。