仏教の宗派の種類
仏教の宗派は種類大紹介|それぞれ独特の教えがあります
1.天台宗
天台宗は、最澄によって開かれました。今から1200年ほど前と考えられています。法華経を基本経典とし、比叡山延暦寺を総本山としているのが特徴です。
「すべての人はみんな仏の子供」「悟りに至る方法の開放」「自分自身が仏であることを目指す」「一隅を照らす」などの教えを広めています。
例えば悟りに至る方法の開放とは、どんな考えでしょうか?まず、天台宗では悟りを開く方法その全ては釈尊(ブッダ)と同じ悟りに至る方法のひとつでもあると考えます。
方法はさまざまですが、真実を探し求める心さえあれば、それは全て悟りに至る道と考えるのです。他にも、一隅を照らすという教えは、天台宗の運動となっています。
自分が輝いた存在となれば、周囲を照らせます。そうすれば周囲の一人ひとりも輝くのです。そして輝く一人ひとりが手をつなげば、素晴らしい世界が開けると考えています。
2.真言宗
真言宗は、弘法大師空海によって平安時代初期に開かれました。天台宗を開いた最澄と同時期に、仏教を学ぶため唐に渡っています。
真言密教の教えを教義とし、経典は大日経で総本山は高野山金剛峯寺です。
真言宗では、真言密教が大きな特徴となっています。真言とは、仏の真実の言葉。ただし、人間の言語活動では表現できない世界の事象の深いところにある意味、秘密の意味というものです。
真実の意味とは隠された深い意味であり、それを知ることができる教えが、密教と説きました。また、仏と法界が生きとし生けるものすべてに影響を与える不可思議な力、加持力を前提とした修行を行います。その修業を通じ、仏の知慧を悟って功徳を積んで、衆生を救済する、幸せにすることを目指すのです。
3.浄土宗
浄土宗は、法然上人により1175年に開かれました。「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」という三部経を基本経典とし、知恩院を総本山としています。
浄土宗の教えの特徴は、南無阿弥陀仏を唱えるという非常にシンプルなものです。南無阿弥陀仏とは、阿弥陀如来の名前のことです。南無阿弥陀仏を一心に唱え、死後、悩みや苦しみのない極楽へ行けるようにと願います。
仏教の目的は、悟りを開くためです。そのために人は厳しい修行を行いますが、通常、誰しもができるものではありません。そのような考えではなく、南無阿弥陀仏と唱え、人格を高める、社会のためにつくす、明るく安らかな毎日を送って、浄土に生まれようというのが浄土宗の教えなのです。
4.浄土真宗
浄土真宗は、親鸞聖人によって鎌倉時代中頃に開かれました。特に重要視されている経典は、浄土三部経です。他にも、聖典として親鸞が著述した聖教、中興の祖である蓮如の手紙などがあります。総本山は本願寺です。
浄土真宗の大きな特徴は、僧侶に厳しい戒律がないことでしょう。肉食妻帯も許されており、さまざまな宗教儀式や世の中の習慣や、風俗にこだわらない点にあります。
また「平生業成」も有名で、親鸞聖人の教えが詰め込まれた教えです。平生とは、死後ではない生きている現在のこと、業成の業とは人生の大事業のこと、成は完成、達成を意味します。
つまり「人生にはひとつ果たさなければならない目的がある。それは生きている現在に完成できる。だから、早く完成しなさいよ」という教えなのです。
まとめ
日本の仏教宗派はさまざまですが、臨済宗と曹洞宗などの禅宗もあります。臨済宗は栄西によって開かれました。特定の本尊を立てない、経典にもこだわっていないのが特徴です。
禅宗の始祖、達磨大師の教え「悟りの体験は文字、言葉では表現できない。だから、言葉や文字にとらわれてはいけない」という精神を重視しています。
また、修行によって本来の仏心に目覚めることが悟りであるという教えが特徴です。
曹洞宗は、鎌倉時代、道元によって中国から日本に伝えたことからはじまります。基本経典は正法眼蔵です。臨済宗と同じく座禅を重視しています。
ただ、同じ禅宗とはいえ、臨済宗とは大きく異なる点があるのです。修行方法は同じですが、臨済宗は悟りを目指すための手段として座禅があります。曹洞宗は悟りなどを求めず、ただ、壁に向かい座禅をする只管打座(しかんたざ)を修行している点です。
また、世界に目を向ければチベット仏教などをはじめさまざまな宗派が存在しています。それぞれ独自の発展をしているところに、仏教の面白みがあるのです。